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【第11回憲法講座】信教の自由・政教分離原則part1

憲法

第11回憲法講座を始めていきます。

今回は憲法20条「信教の自由」について勉強していきます。

 

信教の自由憲法20条

1項 「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」

2項 「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」

3項「 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」

出典:電子政府の窓口|日本国憲法ページ憲法二十条

一応,憲法二十条の内容を載せていますが試験では覚える必要は特にないです笑

 

信教の自由とは信仰の自由,宗教的行為の自由,宗教的結社の自由の3つが含まれます!

この3つはなんとなく覚えておけばいいです。

 

信教の自由明治憲法から規定されているという問題が公務員試験で出たりします。

 

それでは,信教の自由と政教分離原則について試験に出題される重要個所をまとめます。

 

POINT!

①宗教家が病気を治療のための加持祈祷により,他人に傷害を与えることは許されない(加持祈祷事件)

 

静謐(せいひつ)な宗教環境の下で信仰生活を送る権利は認められていない(自衛官護国神社合祀事件)

 

殉職した自衛官を県護国神社に合祀(ごうし)する行為は信教の自由に違反しない(自衛官護国神社合祀事件)

 

④宗教上の理由から体育の剣道実技を拒否した生徒に,代替措置を講ずることは許される。(神戸高専剣道実技拒否事件)

 

⑤著しく公共の福祉に反する行為をした場合には,行政庁が宗教法人の解散を命じられる。(オウム真理教解散事件)

 

⑥牧師が宗教上の理由から犯人を匿い,自主を説得する行為は,犯人蔵匿罪(ぞうとくざい)にならない(牧会活動事件)

 

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①加持祈祷事件

娘が異常な言動をとるようになったと感じた母親が,娘の心の平癒のため,僧侶に加持祈祷の依頼をしました。

 

僧侶は娘さんに狸が取り憑いていると考え,手足を縛り,無理やり線香にあたらせたり,背中を殴りつけ「狸よ早く出ろ」と怒号しました。

 

完全にヤバいですよね。はい。

その結果,娘さんを死亡させてしまいました。

 

この僧侶は傷害致死の容疑で起訴されます。

しかし,僧侶は「信仰の自由がある!」として裁判で争います。

 

結果,僧侶の行為が著しく反社会的なものであり,憲法20条1項の信教の自由の保障の限界を逸脱したものとしました。

 

加持祈祷により他人に傷害を与えることは許されない

 

なんだか不憫でならない事件です。。。

 

②③自衛官護国神社合祀事件

ある自衛隊員の隊員が公務中に殉職しました。

 

第二次大戦後,自衛隊員が戦死した場合,隊員の出身地の護国神社に合祀されます。

隊員は山口県出身だったので,山口県の護国神社に合祀されることになります。

 

護国神社
国家のため殉職した人を祀るための神社

 

合祀

一つの神社に複数の神様が祀られていること

護国神社には殉職者が英霊と呼ばれ,神社の神様として祀られています。

複数人の殉職者の方たちを祀っているので「合祀している」というのですね。

 

自衛隊山口地方連絡部と山口県支部連合会の職員から隊員の妻に護国神社に合祀したいとの連絡が来ました。

 

私キリスト教徒だし,仏教式の合祀はお断りします。

分かりました!

 

しかし,妻の意思は無視され,夫の隊員は山口県の護国神社に合祀されてしまいました

 

そして,裁判となるのですが公務員試験で出題されるのは

 

1.地連職員のした合祀申請は憲法20条3項の宗教的活動に当たるかどうか?

 

2.他人に干渉されず自己の信仰に従い追慕する権利があるので,国家に強制されない権利として妻が主張している「静謐(せいひつ)な宗教環境の下で信仰生活を送る権利」=「宗教的人格権」は存在するのか?

 

という箇所です。そもそも,宗教的人格権というものは権利として存在しません(憲法にありません)

 

なのでここでは,宗教的人格権があるかどうか裁判で争われました。

 

結果として

1.宗教の目的行為が間接的なので宗教的意識は希薄である。

2.静謐な宗教環境の下で信仰生活を送る権利は法定利益として認められないとしました

 

地連職員のした合祀申請の合祀自体,護国神社の名簿に名前が載るだけなので宗教的意味合いが希薄としました。

 

また,静謐な宗教環境の下で信仰生活を送る権利をOKとしてしまうと”宗教的に不愉快だと思った行為はなんでも人権侵害とすることができる”ということになってしまいます。

 

簡単に,”自衛官の合祀”というキーワードをみたら宗教的活動に当たらず,宗教的人格もないので,信教の侵害にならないと覚えちゃいましょう!!

ここだけ暗記すれば問題は解けます!

 

静謐な宗教環境の下で信仰生活を送る権利は存在しない

 

殉職した自衛官を県護国神社に合祀することができる

 

殉職した自衛隊員はみんな神として護国神社に祀られるのはどうなんでしょうか。。。

遺族や自分の意志だってありますよね。

そういうことを考えさせられる事件です。

 

④神戸高専剣道実技拒否事件

神戸高専の学生にエボバの証人の信者がいました。

この生徒達は,宗教上の理由から剣道の実技授業参加を拒否し,代替措置としてレポートの提出を求めました。

 

しかし,学校の校長が生徒が提案した代替措置を認めず,学生の体育の授業の単位が認定されませんでした。

 

そのため,学生の一人が原留処分を2度くらい,校則に従い退学処分を言い渡されました。

 

学校の進級拒否・退学についての執行停止の申し立てと処分申し立てを裁判であらそいました。

 

結果,高等専門学校において剣道実技の履修が必須とは言えず,他の体育科目に代替することも可能であるので,校長の行為は社会観念上著しく妥当を欠き,裁量権の範囲を超えた違法なものであるとしました。

 

そして宗教上の理由から,代替措置を講じることは特定の宗教に対する援助をするわけではないとしました。

 

剣道実技を拒否した生徒に,代替措置を講ずることは許される。

 

⑤オウム真理教解散事件

大量殺人を目的として,組織的にサリン生成をしていたことを理由に,オウム真理教という宗教法人に解散命令を出しました。

 

宗教法人を解散したら宗教活動ができないので,この解散命令が憲法20条1項の信教の自由に違反しないかが争われました。

 

結果,著しく公共の福祉を害すると明らかに認められるとともに、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為と明らかなので、解散命令は違憲ではないとされました。

 

著しく公共の福祉に反する行為をした場合,行政庁が宗教法人の解散を命じられる

 

地下鉄サリン事件という東京の霞が関駅に向かう地下鉄線内にオウム真理教の組員が毒ガスのサリンを巻いて死傷者を出した事件が引き金です。

 

勝手に身内だけでサリン撒いてろよ!迷惑かけんなって感じですよね!!

 

常識的に考えて明らかにダメなのでですよね。

憲法は常識的に考えると回答できる問題が多いです。

 

⑥牧会活動事件

兵庫県立尼崎(あまがさき)高等学校で学園闘争により建造物侵入などの犯人として高校生2人を警察は捜査していました。

 

一方の少年の母親が,反省の機会として友人のキリスト教団の牧師に話をし,2人を教会に預けることになりました。

 

警察から少年たちの居場所を質問されたのですが,牧師は「知らない」と答えたにも関わらず教会で匿いました。

 

そして,牧師は少年たちが自主的に出頭するよう説得し,2人は警察に出頭しました。

 

裁判では,2人の少年を匿ったことが犯人蔵匿の容疑として起訴されます。

 

結果,牧師の活動によって少年2人が任意に出頭し,彼らが人間的に救済されたことや捜査が容易になったことを踏まえ,社会的に許容できる範囲のもので,信仰の自由に基づく正当な業務行為として無罪となりました。

 

牧師が宗教上の理由から犯人をかくまい自主を説得する行為は,犯人蔵匿罪にならない

 

キーワードは限られているので暗記すれば問題は解けます!

頑張っていきましょう!!

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